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2011年1月29日

CASIO EX-H20G GPSデータ・ロガー機能

 先週、筆者がレポートした台湾QSTARZ社製のGPSデータ・ロガーQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」の冒頭で掲載した、カシオ製GPS+電子コンパスを内蔵している「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」で撮影した写真を掲載したところ、「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」で記録されているGPSデータ・ログのレポートをして欲しいという読者のかたより要望があった。幸いにも当日のGPSデータ・ログをエクスポートしてあったのでレポートをすることにする。このEX-H20GによるGPSデータ・ロガー機能は、既にレポートしているが最新ファームウェアで実装された機能なので、発売と同時に購入された方は是非ファームウェアのバージョン・アップをしてから試してみて欲しい。

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 上に掲載している写真は、筆者がレポートした台湾QSTARZ社製のGPSデータ・ロガーQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」の撮影を行った際に、筆者の車に搭載している「PND-A4320の表示地図と、カシオのEXILIM Hi-ZOOM EX-H20Gで表示した地図の表示を比べているところだ。ちなみに、この写真の撮影には筆者が昨年6月末に購入したGPSと電子コンパスを内蔵しているソニーCybershot DSC-HX5V」で撮影しているが、写真にはジオタグの緯度経度、高度と撮影方向は記録されていない。しかし、他の撮影情報等は全て記録されているので、詳しくはExifデータを参照して欲しい。

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 冒頭で掲載した筆者の車に搭載している「PND-A4320との地図データ比較写真を、カシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」で表示している地図データと軌跡ポイントを筆者が昨年6月に購入したGPSと電子コンパスを内蔵しているソニーCybershot DSC-HX5V」で撮影したのが、上に掲載している写真だ(GPSをオフにしているのは、電池が短時間で消耗してしまうからだ)。カシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」に収録されている地図データは、正直なところ2GB程度の地図データ容量を持つPNDよりも、更にデータ量が地域にもよるが少なく、規制は路も表示されない部分にプロットされている。
 これは、横浜市の中心部から外れた場所では大同小異で、観光地や繁華街では逆にPNDに搭載されている地図よりも詳細な地図を持っていたりするので、場所によってかなりの差がある。しかし、カシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」が全世界の地図データを収録している事を考慮すれば、国内の地図しか収録していないPND(やカーナビ)と比較することが間違っているのだろう。ましてや、ネットワークから地図データをダウンロードするWebの電子地図と比べても仕方がない。詳細な地図データが筆ようならば、携帯電話(やスマートフォン)で表示すれば、ナビまでサポートしているのだから、それを使えば良いだけだ。

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 上に掲載した写真は、先週掲載したカシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」で「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」の比較写真を撮影しているビュー・ファインダーの画像を、ソニー「Cybershot DSC-HX5V」で撮影した写真だ。左側に表示されているGPSアイコンが、GPS衛星からの電波強度を最大値の「((」と表示しているのが見える。横浜でも、ローカルな場所へ移動してしまうと、地名表示のジオコーダ機能は大まかな表示となってしまい、「神奈川県」という表示になってしまっている。本来ならば、せめて「横浜市」と区名までは表示して欲しいところだが、逆(リバース)ジオコード(緯度経度を地名に変換する機能)のアルゴリズムやデータの更なるチューニングとアップデートを希望したいところだ。
 また、「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」に要望する機能として地名表示だけでは無く、切り替えによって緯度経度表示にも対応していただきたいと思う。合わせて電子コンパスの表示モードを加えれば、登山や山歩きなどの山岳登山用のGPSデジタル・カメラとしても大いに役立つだろう。登山に使用する場合は、内蔵地図をより詳細にして欲しいという要求も発生するだろうが、登山の必需品は紙の地図(国土地理院、1/2万5千)と磁気コンパスなので、ハンディGPSはもとより「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」を紙地図の代用とするのは大きな誤りで、GPSや電子地図はあくまでも補助機器なのは言うまでもない。

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 さて、ここからが本題となるカシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」で記録したGPSデータ・ログのレポートだ。上に掲載した写真は、「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」の評価を終えて自宅に戻ってEXILIM EX-H20Gの軌跡を表示し、それをソニー Cybershot DSC-HX5Vで撮影した写真だ。従って、ジオタグも勿論の事Exifデータも写真には記録されていない(Photoshopで全てのExifデータを削除し、Web用にダイエットしている)。移動した軌跡を示す赤い点は、先週レポートしたQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STの「QTravel」で表示した、Google Maps上での軌跡と殆ど同じだ。
 この移動は車で行ったのだが、ドライバーは筆者なので運転中の撮影は行え無いため、カシオEXILIM EX-H20Gは筆者のブルゾン左側のポケットへ入れていた。つまり、車内の前席中央の下というGPS衛星の捕捉には、条件が悪い場所にも関わらず、軌跡がプロットされている。途中、場所によってはプロットがとぎれている場所もあるが、恐らく車のダッシュボードへカシオEXILIM EX-H20Gを置いていれば、殆ど全行程で綺麗な軌跡が残せたと思われる。とは言え、GPS測位には不利な環境であっても、ハイブリッドGPSが機能しているので、実用的なGPSデータ・ロガーとして十分にカシオEXILIM EX-H20Gは動作してくれる。

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 次に、カシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」で記録したGPSデータ・ログを、ファームウェアの更新によってサポートされたエクスポート機能により、Google Earth対応のKMLファイルへエクスポートし、そのKMLデータ・ファイルをGoogle Earthで表示させたのが、上に掲載したスクリーン・ショットだ。こちらのKMLファイルによる表示では、各ポイント間をライン表示で結んで表示されるので、先週レポートしたQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STの「QTravel」によって、Google Maps上で表示した軌跡に、より近い表示となっている。

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 しかし、1Hz測位や5Hz測位(1秒間に5回の測位)の可能な「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」と、1Hzよりも一桁少ない1/10Hz(10秒間に1回)測位のカシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」の持つGPSデータ・ロガー機能では、軌跡の拡大表示を行ってみれば一目瞭然である。上に掲載したスクリーンショットは、Google Earthをズームアップして、先週レポートしたQSTARZ Sports Recorder BT-Q1300STの「QTravel」によって、Google Maps上で表示した軌跡表示で、速度と高度の表示を行った際の地図上の位置である、横浜環状二号線の馬洗橋交差点での軌跡ログだ。
 まず気になるのは、本来であれば行きの軌跡が下側(左車線)へ表示されるべきなのだが、上の右車線へ表示されている。これは、カシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」の測位環境が、筆者のブルゾンのポケットであったことによる測位精度の悪化によるものだろうと推測される。また、測位間隔が1/10Hzなので測位ポイントの間隔が広くなってしまい、滑らかな軌跡のラインとなっていない。これらの違いは、専用の(しかも5Hz測位の設定もできる)GPSデータ・ロガー「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」が性能的に勝っていて当たり前の話しだ。
 逆に言えば、オマケで(実際、購入した時点ではサポートされておらず、後日ファームウェアの更新で)実装されたカシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」の簡易GPSデータ・ロガー機能でも、車載用としても十分に機能しており、徒歩によるGPSデータ・ロガーであれば、専用機の「QSTARZ Sports Recorder BT-Q1300ST」でもデフォルト設定は、1/10Hz測位なので、カシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」の簡易GPSデータ・ロガー機能との差が小さくなる。しかも、GPSをオンにしたままであっても電池の消耗は最小限に抑えられており、ポケットにいれさえすればGPSデータを自動で記録してくれるので、GPSデータ・ロガーを意識せずに自動記録されるのは非常に便利だ。
 結論としては、未だGPSデータ・ロガーを所有しておらず使った経験も無いユーザであれば、初めてのGPSデータ・ロガーがカシオ「EXILIM Hi-ZOOM EX-H20G」であっても、十分に徒歩での観光地巡りなどでは大活躍してくれるハズだ。

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