Ubuntu 11.4
予告どおり、Ubuntu 11.4が本日リリースされた。日本時間では、4月29日になるかと思っていたのだが、日本でも28日の夜にはダウンロードが可能になっていたので、筆者も早々にダウンロードを行って、現用中のUbuntu 10.10 Desktop Editionから、Ubuntu 11.4へとアップデート(実際には新規インストールだが)を行った。従来は、Ubuntu Desktop Editionや、NetBook Editionなどがあったが、今回のリリースより、Server Edition以外は、Ubuntuとして統合されている。
もっとも、32ビット版のUbuntu(x86版)と64ビット版のx64版があるので、CPUと搭載メモリ量に応じて、インストールするエディションを選ぶ必要はある。筆者は、x64(64ビット)版をダウンロードしてインストールを行った。起動画面は、従来のUbuntu Desktop 10.10と同じ様なログイン画面で、またバージョン名なども表示されないため、起動しただけでは従来版との違いは殆ど無い。バックの壁紙も、10.10と同じ雰囲気なので尚更である。
Ubuntu 11.4のログイン画面からインストール時に設定したパスワードを入力すると、上に掲載したスクリーンショットの様な新しいUbuntu 11.4のデスクトップ画面が表示される。従来のUbuntu 10.10まではGNOME Desktopが標準仕様であったが、今回のUbuntu 11.4からは「Unity」と呼ばれるデスクトップが採用されている。画面左側に配置された大きなアイコンの帯が特徴的だ。
実際の動作は、Mac OS Xのドックと同じ機能だと言えばわかりやすいだろう。ドックをパクった、Windows 7のタスクバー的な機能とも似ている。そう言う意味では、新世代のデスクトップへとUbuntuも変貌したと言えるだろう。ちなみに、正式な名前は「Launcher」で、アプリエーションのランチャー、そのものなのだが、実際にはタスクマネージャの機能をも備えているのは言うまでもない。
Ubntu 11.4のUntyの上にあるUbuntuアイコンをクリックすると、これまでのUbuntu 10.XのNetBook Editionで採用されていたホーム画面の検索メニュー「Dash」が表示される。つまり、これまでのNetBook EditionとDeskTop Editionが統合されているのだ。アイコンが大型になっているのは、タッチパネルを搭載したノートPCやNetBookでは、タッチ・オペレーションでも扱いやすいようになっているためだ。もちろん、タッチパネルがマルチタッチに対応していれば、マルチタッチでのオペレーションも可能になっているし、マウスの操作だけでも全ての動作は可能だ。
新たにUbuntu 11.4へ搭載されたUntyが扱いにくいという場合には、標準のGNOMEデスクトップも搭載されているので、上に掲載した写真の様に、起動時の画面から「Ubuntuクラシック」を選択して起動すれば、これまでのGNOMEデスクトップでUbuntu 11.4を起動することも可能だ。もちろん、KDE環境のKubuntuなどをインストールすれば、KDEデスクトップのUbuntu 11.4を使用することも可能である。
Ubuntu 11.4では、これまでのGNOMEデスクトップで選択安濃だったメニューなどが、右上のユーザ名のプルダウン・メニューなどへ移動しているので、慣れないと何処へいってしまったのかと戸惑う場面も多いのだが、使い慣れてくると扱いやすいデスクトップだと思う。
ちなみに、GPUが非搭載だったり、nVIDIAのドライバを組み込んでいない場合には、これまで通りのGNOMEデスクトップとなる。
しかし、nVIDIAのドライバを組み込んでからUbuntu 11.4を再起動すると、Untyモードで起動する。ちなみに、UntyはCompizベースのデスクトップなので、Compizのカスタマイズを行う(標準では、カスタマイズ用のアプリケーションはインストールされないので、別途インストールを行う必要がある)ことで、アニメーションや仮想デスクトップのカスタマイズなどが、従来どおり可能となる。
この他、Ubuntu 11.4では標準のブラウザがFirefox 4.0にアップデートしていたり、これまでOpenOfficeがLibreOfficeへと変更になった点などがある。また、これまでも提供されていたUbuntuのクラウド・サービスであるUbuntu OneもGUIベースとなり、使いやすくなった。上に掲載したスクリーンショットでは、OpenSim/Second Life用のビューア「Imprudence Viewer」の64ビット版(Version 1.4.0 Final Experimental Release)を動作させているが、問題なくOSgridへ接続している筆者のRegion(Sim)へログインできている。
最近では、仕事以外にWindows 7を起動をすることが皆無と言っても良いぐらいに無くなり、もっぱらUbuntuばかりを起動させている筆者であるが、デフォルトの起動OSも、今回のUbuntu 11.4 x64版をインストールした際に、Ubuntuに設定してしまった。ちなみに、Ubuntu 11.4をインストールすると、ブートマネージャも新しく置き換えられ、これまでの味気ないCUIベースから少しだけ見栄えが良くなった。
実際、個人的なPCの使用では、Windows 7へ依存するアプリケーションが無くなったのに加えて、仮想環境の進歩によってWindows XPベースのアプリケーションは、Ubuntu内の仮想環境で、Windows XPを動作させて起動すればよいので、ベースOSがUbuntuであっても全く作業に支障を来すことが無くなったことが大きい。これは、Windows 7が、XP Modeという非互換生の対策方法を実装して手本を見せてくれたのだから、間違いない。
もっとも、Mac OS Xにしても、Windows 7/Vista/XPにしても、最も多く起動するのはブラウザである。だから、これら全てのOSで共通にインストールと起動が可能な、Mozilla Firefox 4とGoogle Chromeが、共通のクラウド時代のツールと言うことかもしれない。
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