Dropad A8 (4) GPS編
前回のレポートで紹介したように、筆者の購入した中華タブレットの「Dropad A8」でも、USB接続によってBluetoothが使用可能になった。しかし、ペアリングが可能にも関わらず、Bluetooth GPSによるGPSデバイスのサポートが、Android 2.2では行われておらずGPSの使用は出来なかった。これは、どうやら中華タブレットだからというよりは、OSのAndroid 2.2の仕様のようで、Android Marketを探してみると、この問題を解決してBluetooth GPSの使用を可能にするアプリケーションがあったので、早々に試してみたところ、簡単にBluetooth GPSを中華パッドの「Dropad A8」で使用可能となった。
上に掲載している「Dropad A8」の画面写真でステータス表示の左側に、青いBluetoothアイコンが表示されているのがわかるだろう。これは、本来のAndroid 2.2にBluetoothアイコンではなく、Bluetooth GPSを使用可能にするアプリ「Bluetooth GPS Provider」の稼働を示すアイコンだ。Bluetooth GPS Providerには、ウィジェット機能も装備されているので、Androidのホーム画面に登録しておけば、測位状態のGPSデータ衛星ステータス値やBluetooth GPSとの接続や切断などを、このウィジェットから行う事も可能となる。
「Dropad A8」で動作させているBluetooth GPS Providerのメイン画面では、Bluetooth接続しているGPSの詳細なデータ値を表示する機能もあるので、緯度経度や高度、移動速度や移動方向も簡単に読む事が可能だ。また、上に掲載している「Dropad A8」の写真で、上の方に表示されている「Enable Mock GPS Provider」にチェック(レ)を入れておくことで、接続しているBluetooth GPSをAndroid OSのGPSデバイスとして使用可能となる。
これは、GPS受信機を内蔵しているAndroidスマートフォンやタブレットの場合でも、Bluetooth GPSを使用可能となるので、内蔵されているGPS受信機の感度が悪い場合でも、より高感度で測位スピードの速いBluetooth GPSで置き換えることも可能だ。無論、Androidスマートフォンやタブレットが、Bluetoothを内蔵している(あるいは、今回の「Dropad A8」の様にUSBホスト機能を持った機種であれば、USBドングル型のBluetoothアダプタを使用する)必要があるのは言うまでもない。
Bluetooth GPS Providerでは、GPS衛星の天空配置グラフィック表示や、測位に使用しているGPS衛星や、捕捉中のGPS衛星からの電波強度表示もおこなえる。ただし、これらの表示は、Androidスマートフォンでの表示を前提にデザインされているようで、縦表示のみの固定となっており、「Dropad A8」の画面を横にしても横表示には切り替わらず、「Dropad A8」では縦表示固定のままだった。出来れば横表示にも対応して欲しいところだが、実用上は全く問題ない。
この他、Bluetooth GPS Providerでは、接続しているBluetooth GPSからのNMEAデータをリアルタイムに表示してくれる画面もあり、これが最も筆者には有りがたい機能だった。もちろん、地図表示機能も装備しており、Google Mapsの地図データを読み込んで、その地図上へ自分の位置を表示してくれる機能もある。Bluetooth GPS Providerはナビ機能を装備していないが、Bluetooth GPS Providerを起動しておけば、「Dropad A8」のAndroid 2.2で使用可能なGoogle Maps MobileやGoogle Earth Mobile、そしてナビなどでもGPSデータデータを使用可能になるので、それらを使用すればよい。
Bluetooth GPS Providerによって、Bluetooth GPS受信機やGPSデータロガーを、Android OSのGPSデバイスとして認識させるには、Bluetooth GPS Providerの「Enable Mock GPS Provider」を有効にすると同時に、Android OSの設定メニューから「開発」のサブメニューを開き、そこにある「疑似ロケーションを許可」もチェック(レ)を入れて有効にしておく必要がある。この設定が無効になっていると、Google Mapsなどの他のGPSデータを利用するアプリケーションで、接続しているBluetooth GPSのデータを使用することが出来ないので、必ずチェックをしておく必要がある。
ちなみに、筆者の中華タブレット「Dropad A8」では、USB接続のGPS受信機もサポートされているのだが、この動作が不安定で認識したりしなかったりする。これは、ファームウェアの問題なのだと思われるが、USB接続のGPS受信機を認識した際でも、「Dropad A8」本体のノイズ(輻射電波)が多くて、GPS受信機の感度が低下してしまう。これは、USBケーブルを接続しているため、ノイズをGPS受信機が拾ってしまう(感度の良いGPS受信機ではなおさら)ため、測位も不安定になってしまったり初期測位も遅いという現象が見られた。
これに対して、Bluetooth接続であればGPS受信機が無線接続されるのと、「Dropad A8」本体からGPS受信機を離すことができるので、大幅にノイズの影響から逃れることが可能となる。「Dropad A8」のファームウェアを変更(Android 2.3が安定)したら、またUSB接続のGPS受信機もテストしてみるつもりだが、現時点では安定稼働しているAndroid 2.2で十分なうえ、Bluetooth GPSも安定して使用可能なため、このままの状態で暫くは使用してみようと思っている。
USB接続によるGPS受信機のレビュー記事:
<<Dropad A8 (7) GPS編[2]へ続く>>
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