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2011年6月 6日

OpenSimulator Ver.0.7.1.1

 先週の5月28日(日本時間、米国では5月27日)に、先月初めにリリースされた(筆者もレポート済みだが)OpenSimulator Version 0.7.1のバグを修正した、OpenSimulator(OpenSim) Version 0.7.1.1がリリースされた。既に、OpenSim Ver.0.7.1を使用している場合は、データベースの互換性があるので、バイナリファイルの置き換えのみで、そのまま移行が可能となっている。今回バグ修正された部分は、開発バージョンとなるOpenSim Ver.0.7.2(Dev)へも反映されていたり、逆にOpenSim Ver.0.7.2(Dev)からフィードバックされたバグ修正も施されているので、より安定した動作が期待できるだろう。

クリックで拡大表示 Opensim_0711_1

 さて、OpenSim Ver.0.7.1.X/0.7.2では、Second Lifeでこの夏(7月、8月)に実装される予定のMesh Object機能が既に(まだ不具合はあるが)実装されている。Second Lifeでは(現時点では)βグリッドでの限定使用となるメッシュ・オブジェクトであるが、OpenSim Ver.0.7.1.X/Ver.0.7.2で構成されているOSgridのRegion(Sim)では、すでに誰でも(何処のRegionでも)Mesh Objectが利用可能になっているのだ。上に掲載したスクリーン・ショットは、Second Life用として公開されているMesh Objectを、筆者の運用するOSgridのRegion(Sim)へアップロードした際の画像だ。

クリックで拡大表示 Opensim_0711_2

 Mesh Objectは、一つのプリム(オブジェクト)でありながら、複雑な3Dオブジェクトが構築可能で、限定的なスカルプテッド・プリムよりも自由度や表現力が格段にアップしている。複雑な人型ロボットなども、従来は複数のプリムを組み合わせて構築する必要があったが、メッシュ・オブジェクトであれば一つのプリムで作り出すことが可能になる。上に掲載しているスクリーン・ショットでは、大きな人型ロボットのメッシュ・オブジェクトをアップロードした際の画像だが、これでも一つのプリム(オブジェクト)だ。
 OSgridで運用しているOpenSimサーバの場合には、プリム(オブジェクト)の数によってデーターベースの負荷が大きくなるので、オブジェクト数を減らせるMesh Objectはサーバの負荷を軽減することにつながる。現状では、まだOpenSimサーバの場合、衝突などの物理演算が完璧ではないなどの問題もあるが、サーバの負荷が増えるというような事もなく、大きな問題は特になく(細かな不具合はあるが)メッシュ・オブジェクトの取り扱いが可能になっている。

クリックで拡大表示 Opensim_0711_3

 反面、Mesh Objectを表示するには、Mesh Objectに対応したビューアを使用する必要があり、現時点ではSecond Lifeで開発されているProject Mesh Viewerしか選択肢はない。加えて、このMesh ViewerはPCへの負荷が通常のビューアに比べて高く非力なPCの場合には、動作も緩慢になってしまう等のマイナス面も多い。高機能なCPUとGPUを搭載しているPCであれば、重くなったと感じることも少ないのだが、それでも従来のビューアに比べると重くなっている。今後、チューニングが進んだりサードパーティのビューアがMesh対応すれば、改善されると思うのだが。
 ちなみに、上に掲載したスクリーン・ショットは、筆者がMesh Objectを筆者のRegion(Sim)へアップロードして編集している時に、お隣のRegion(Sim)を運用している友人が訪れたのだが、もちろん友人はMesh Objectには非対応のビューアを使用されていたので、「矢印のような薄い板に見える」(「>>」のような形)とのことだった。逆に、筆者にはスクリーン・ショットの様に見えていたのだが、ビューアによる仮想世界の見え方の違いが、Mesh Objectの登場で大きくなってしまうことも否めない事実だ。

Opensim_0711_4

 Mesh Objectのアップロードは、OSgridへ接続しているOpenSImのRegion(Sim)だけではなく、ローカルPCで動作させているOpenSimのRegionでも可能だ。当然ながら、通常のビューアではメッシュ・オブジェクトをアップロードすることは出来ないので、Second LifeのサイトからProject Mesh Viewerをダウンロードして使用することが不可欠であるし、それ以外のビューアではMesh Objectをビューアで見ることすら出来ないのは言うまでもない。
 OpenSim Ver.0.7.1.1は、例によってOpenSimのサイトのトップページの右側に表示されるメニューから、実行ファイル形式とソースコードがダウンロード可能なので、圧縮形式の違いで便宜上ZIPファイルとtarボール形式がダウンロードできるので、Windowsの場合にはZIP形式を、Linuxの場合にはtarボール形式(ZIPでもよいが)をダウンロードすれば良い。
 Second LifeもMesh Objectが正式に扱えるように(まもなく)なるので、OpenSim Ver.0.7.1.1をローカルPCで動作させて、3DオブジェクトをOpenSimへアップロードして試しておくのも良いし、Second LifeのMesh Objectのアップロードは有料(しかも事前にクレジットカード登録をしているユーザでないと、Mesh Objectのアップロード機能を使用できない)であるが、ローカルPCで動作させているOpenSimへのアップロードや、OSGridへ接続しているOpenSimサーバであれば、一切アップロードに料金は必要ないのだから。

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コメント

清水先生いつもお世話になっております。
SLよりProject Mesh Viewerくをダウンロードしてみましたが、Gridを選ぶところがありません。OSgridに接続するには、どのようにセットしたらいいでしょうか・・・よろしくお願いいたします。

投稿: 伊達順子 | 2011年8月 1日 08:42

伊達さん、こんにちは、

Project Mesh ViewerでOSgridへログインするには、Project Mesh Viewerをインストールした際に、デスクトップへショートカットが作成されますので、それを編集します。

1)デスクトップのProject Mesh Viewerのアイコンを右クリックして、「プロパティ(R)」をクリックします。

2)プロパティの一番上の「リンク先(T)」の部分で、起動パラメータをオリジナルのものから、下記へ置き換えてください。

-loginuri http://login.osgrid.org -loginpage http://osgrid.org/splash -helperuri http://helper.osgrid.org/

3)「OK」ボタンをクリックして、プロパティの編集を保存します。

これで、OSgridへログインできるようになります。メッシュ・ビューアを起動すると、OSgridのウェルカム画面が表示されるハズです。

ログインの名前の部分は、ファースト・ネームとラスト・ネームを別々に入力できなくなっていますので、半角スペースで区切って入力してください。(これは、V2系ビューアは全て同じです。)

では、試してみてください。

投稿: 清水 隆夫 | 2011年8月 1日 16:11

ありがとうございます。
先生のSIMで大きなロボット見えました。でもビューア重いですね^^
OSgridでメッシュオブジェクトを作ってくれる人が、居てくれたらラッキーなんですけれど・・・o(*^▽^*)o

投稿: 伊達順子 | 2011年8月 1日 20:01

伊達さん、こんばんは、

>でもビューア重いですね^^

はい、重いですね・・・
グラフィック・ボードが古いと、尚更です。本格的にメッシュ・オブジェクトをやろうとすると、最新のに変えないとキツイみたいです。

>OSgridでメッシュオブジェクトを作ってくれる人が、居てくれたらラッキーなんですけれど・・・

メッシュ・オブジェクトは、フリーで配布されている3Dオブジェクトを、殆どそのままアップできるのですよ。

SLだとフリーの3Dオブジェクトを、勝手にSLへアップして売ってしまうという著作権無視の行為を抑制しなければなりませんが、OSgridではフリーのまま配布することしかできませんから、問題ありません。

また、意匠登録されているようなオブジェクトでも、個人的に使う分には著作権にはひっかかりませんので、自分だけで使っている分には、これも問題ありません。

スカルプの様な特殊な構造のオブジェクトよりも、3Dグラフィックの標準構造に準拠しているメッシュ・オブジェクトの方が、むしろ一般的ともいえるのですけど、SLの制限=OpenSimの制限もあるので、そのあたりのデータ変換や調整が、難しいところかもしれません。

それでは、また・・・

投稿: 清水 隆夫 | 2011年8月 1日 21:39

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