OpenSim Version 0.7.2
一昨日(米国時間では10月7日)、OpenSimulatorことOpenSimのバージョン0.7.2がリリースされた。例によってOpenSimulatorのサイトのトップページ右側に設置されている、ダウンロードのメニューから、圧縮形式の異なるZIPファイルと主にLinux向けとなるTarball形式による実行形式の圧縮ファイルがダウンロード可能だ。加えて、自分でコンパイル・アンド・ビルドを行う場合には、同様にZIPファイルとTarballの圧縮ファイルも公開されているので、そちらをダウンロードすれば良い。筆者も評価中のWindows 8(仮)へ「OpenSim Ver.0.7.2」をインストールして動作テストを行ってみた。
前バージョンとなるOpenSim Version 0.7.1.Xと、今回リリースされたOpenSim Version 0.7.2では、PCでのスタンドアロン動作を行う場合にはデータベースの下位互換性が保たれているので、そのまま前バージョン(0.7.1.X)のデータベースファイルを、そのまま使用することが可能だ。しかし、OpenSim.iniの設定項目の一部が変更になっているので、OpenSim.iniファイルをコピーして使用する事は出来ないので、圧縮ファイルに同梱されているサンプルiniファイルを用いる事になる。新しくなったOpenSim Version 0.7.2では、Mesh Objectの高速化を行うMesh Proxyがサポートされているなどの機能強化が行われているので、Cool VL Viewerなどのメッシュ表示対応ビューアであれば、メッシュ・オブジェクトの描画速度も安定して行える。
OpenSimulatorのダウンロードは、OpenSimulatorサイトのダウンロード・ページからも行えるが、内容はトップページからダウンロードされるものと同じだ。しかし、ダウンロード・ページには、OpenSimulator Version 0.7.2のリリース・ノートへのリンクなども記載されているので、詳しいリリース内容などをチェックする場合には、このページを参照した方が良いだろう。実際に、リリースされたOpenSim Ver.0.7.2で、OSGridへの接続などを行ってみたが、問題なくOSGridへの接続を確認した。
既に、OpenSimulatorのサイト(開発者向けページ)では、開発版としてOpenSim Version 0.7.3(Dev)へとGITレポジトリもアップデートしており、最新の開発版はVersion 0.7.3(Dev)として進行、公開されている。このOpenSim Version 0.7.3(Dev)の今日現在のソースコードから、筆者がコンパイル・アンド・ビルドを行い、OSGridへの接続をしてみたが、こちらも問題なくOSGridへの正常接続を確認できたので、筆者の運用しているOSGrid/OpenSimのRegionは、現時点でOpenSim Version 0.7.3(Dev)で運用を開始した。
メッシュ・オブジェクトの機能強化が行われたOpenSim Version 0.7.2だが、メッシュ・オブジェクト表示に対応するサードパーティ・ビューア、Cool VL Viewerも日々バージョンアップをしており、先日「影」表示に対応したVersion 1.26.2.0がリリースされた。同時に安定版として公開されたので、筆者もインストールを行ったのだが、どうせテストするならと、先月から評価しているWindows 8(仮)こと、「Windows Developer Preview」(WDP)バージョンでテストしてみた。基本的にWindows 7で動作するアプリケーションは、100%互換でWindows 8(仮)ことWindows Developer Preview上で動作するとマイクロソフトからアナウンスされているので、Cool VL Viewerも問題なくWindows 8(仮)上で動作した。
さて、「影」表示が可能になったCool VL Viewer Version 1.26.2.0だが、デフォルトでは「影」表示がオフになっている。Cool VL Viewer Version 1.26.2.0で「影」表示を行うには、「編集」から一番下の「環境設定」を選び、「環境設定」の画面が表示されたら「表示」のタブを選ぶ。次に「表示」のメニューから「カスタム」にチェック(レ」を入れると、詳細な設定メニューが表示されるので、一番下にある「Lighting & Shadows」へチェック(レ)を入れた後、「環境設定」画面の一番下にある「OK」もしくは「適用」ボタンをクリックすれば良い。設定は、直ぐに反映するのでCool VL Viewerを再起動する必要はない。
上に掲載したスクリーン・ショットでは、正常にメッシュ・オブジェクトの表示が行われていると同時に、メッシュ・オブジェクトの「影」やアバターの「影」が表示されているのが確認できるだろう。ただし、Cool VL Viewerに限らず、「影」の表示はグラフィック・カード(GPU)がハードウェア・レベルでサポートしている機能を用いているので、古いグラフィック・カードや、チップセット内蔵のグラフィック(やGPU)等では、「影」は表示されない。この場合、Cool VL Viewerの「環境設定」にある「Lighting & Shadows」へチェック(レ)を入れても、チェックされない状態なので、この場合には諦めるかグラフィック・カードを最新のGPUが搭載されているカードへ変更するしかない。
実際に筆者のPC環境では、GeForce 7600GS(二枚によるSLI構成)では、GPUが古くて「影」を演算描画するシェーダが未搭載のため、「影」表示に非対応だった。しかし、GeForce 9800GTX++/GeForce 250GTSでは問題なく「影」の表示が行えているので、恐らくGeForce系GPUを搭載しているグラフィック・カードの場合は、GeForce 8000系以降であれば、「影」の表示が行えるのでないかと推測される。
さて、折角Windows 8(仮)こと、Windows Developer PreviewへCool VL Viewerをインストールしたので、タッチパネル用の仮想キーボードでSecond Life/OpenSimビューアの制御ができるかどうかを試してみた。以前に、Windows 7で同じことを試してみたのだが、全く仮想キーボードではアバターの制御が出来なかったのだが、タッチ・オペレーションが強化されたWindows 8(仮)では、どうだったかというと残念ながらWindows 7と同様に仮想キーボードではアバターの制御は出来なかった。
やはり、OSがタッチパネル機能をサポートしているとは言え、アプリケーション側がそれらのタッチ・オペレーション機能をサポートしないと、動作が出来ないということなのだろ。現在、Windows 7を搭載しているWindowsタブレットやスレートPCでは、物理的なキーボードは非搭載となっているが、これらの製品ではSecond Life/OpenSimビューアのコントロールは出来ないということなのだろうか?
もっとも、このスクリーン・キーボードでもチャットのテキスト入力は、英文、日本語共に可能なのは言うまでもなく、またCool VL Viewer(他のビューアでも)の画面内に表示されるアバター制御用のコントロール・パッドの操作は可能なので、このパッドのUIデザインをタッチ・パネル操作用に(より大型に)デザイン変更すれば、問題なく使用可能だろう。実機を操作する機会があれば、また試してみたいと思っているが、タブレット時代への過渡期となる今、アプリケーション側もタブレット操作への対応が不可欠な時代なのかもしれない。
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