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2011年10月 1日

Windows 8

 先月、米国で開催されたマイクロソフト主催の開発者向けコンファレンス「BUILD」で、「Windows 8 」(コードネーム、仮称)の開発者向けプレ・ビュー・バージョンが公開された。また、殆ど同時にマイクロソフトのMSDNにて。MSDNメンバー(MSDNは有償サービス)以外でも自由にダウンロードして、インストール可能な「Windows Developer Preview」(WDP)バージョンが公開されたので、筆者も早々にPCへインストールしてみた。MSDNで公開されているWDPには、開発ツールキットを含んだバージョンと、含まないバージョン、更に32ビット版のx86版と、64ビット版のx64版が公開されているのだが、筆者はx64の64ビット版をインストールしてみた。

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 公開された「Windows Developer Preview」は、DVDのISOイメージなので、インストールするにはDVDドライブからISOイメージを焼いたDVDから起動し、クリーン・インストールを行うか、あるいは既存のWindows Vista/7からDVD内のインストーラを起動して、アップグレード・インストールを行うことになる。筆者は、評価で試用していたWindows 7 Enterprise x64 EditionをインストールしてあったHDDから、今回はアップグレード・インストールを行ってみた。インストールに必要な時間は僅かで、数回の再起動後に表示された「Windows Developer Preview」版の起動直後の画面が、上に掲載した写真の画面だ。

クリックで拡大表示 Windows_8_1

 インストールした「Windows Developer Preview」のアップグレードのベースOSになっていたのが日本語版のWindows 7 Enterprise x64 Editionだったので、表示されているカレンダーの日付も日本語表示になっているのは流石と言うべきか。しかし、この画面からログイン画面への表示切り替えで、しばし筆者は操作に悩んでしまった。マウスの(左右の)ボタンを、幾らクリックしても切り替わらないので、画面自体をドラッグしてみた。左右方向や下方向では画面は切り替わらず、上方向へ画面をドラッグすると、裏側(二枚目の画面側)にあるログインの画面が表示された。
 しかし、後で気がついたのだが、初期画面の状態からマウスの操作ではなくキーボードのキーを押すことで、同様にログイン画面が表示されること判明した。Windows 8(仮)では、従来までのWindowsの操作体系が、初期画面からして全く作法が違うので、少々とまどいと面白さを久々に筆者も味わってしまった。

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 アップグレード・インストールによる「Windows Developer Preview」のログイン画面では、日本語版のWindows 7 Enterprise x64 Editionで設定していた筆者のログインIDや氏名が、そのまま引き継がれているので、日本語で氏名が表示され、ログインID(ASCIIのみで設定)は自動的に非表示となっており、この辺りのデータ引き継ぎは、英語版の「Windows Developer Preview」にも関わらず、しっかりとダブルバイトに対応している。また、このログイン画面からPCの電源を落としたり、スタンバイやサスペンド状態へ移行したりできるのは、Windows XPやWindows Vista/7と同様だ。

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 「Windows Developer Preview」へログインすると、Windows 8(仮)のスタート画面とも言える「Metro」UIによるメニュー画面が表示される。Metroによるメニュー画面も、タッチ操作を意識したUIになっているのだが、画面自体を左右へスクロールさせることで、非表示となっている右側の画面をスクロールによって表示させることが出来る。マウス操作では、画面の一番下へ表示されているスクロールバーによって左右へスクロールさせる。表示されているアイコンは、ウィジェット機能を持っているので、受動的なアイコンではなく能動的なアイコンとして動作可能だ。
 インターネット・エクスプローラを起動すると、IE 10が全画面モードで起動するのだが、操作によってWindows 8(仮)のデスクトップ表示モードにも切り替えが可能となっている。また、Windowsデスクトップを起動してから、IE 10を起動することも、もちろん可能だ。ちなみに、このStart画面からは普通にWindowsの画面キャプチャが可能なので、写真ではなくキャプチャした画面を掲載している。

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 Windows 8(仮)のスタート画面からWindowsデスクトップのアイコンをクリックすると、見慣れたWindowsのデスクトップ画面へ切り替わる。Windows 8(仮)のデスクトップ画面は、Windows 7のデスクトップ画面と殆ど同じに見え、タスクバーの機能なども殆ど継承しているのだが、唯一大きく違っているのが、「Start」ボタンだ。これまでのWindowsデスクトップ画面では、「スタート」ボタンをクリックすることで、Windowsの各種アプリや機能などのメニューへアクセスが可能だったのだが、Windows 8(仮)では、この「Start」ボタンをクリックすると、いきなりデスクトップ画面が消えてMetroによるStart画面へ切り替わってしまう。
 Windows 95/98、そしてWindows 2000/XP、Windows Vista/7へと引き継がれてきたスタート・ボタンの機能が、Windows 8(仮)では大きく変更されてしまうことになりそうで、これには長年の慣れたマウス操作を改めなくてはならず、筆者も大分戸惑ってしまった。

クリックで拡大表示 Windows_8_5

 その他の機能やツールなどでは、Windows 7から大きな変化は(今のところ)殆ど無く、Windows 8(仮)はWindows 7をベースとしているマイナーチェンジ版だ。とは言え、「Windows Developer Preview」版の段階なので、これからβ版が公開された時点で大きく変更されることも考えられるし、β版から最終のRC版、そしてRTM版へとアップデートされていく段階で、様々なチューニングが施されるのは間違いないので、現状の「Windows Developer Preview」では、あまり変わっていないと言うことだ。
 上に掲載したスクリーン・ショットの画面は、システムのパフォーマンスをWindows Experienceでテストしてみたのだが、Windows 7からは大きな違いは無かったのだが、グラフィックスは0.3ポイントほど下がっており、この辺りはドライバの最適化による影響かと考えられる。また、評価値の最大値もWindows 7と同じ7.9までだが、これも正式版では変更される可能性もある。

クリックで拡大表示 Windows_8_6

 「Windows Developer Preview」版とは言え、既にWindows Updateによってアップデート・ファイルが提供されているのは、流石にマイクロソフトと言ったところだろうか。実際に、二週間程度Windows 8(仮)を使っているのだが、システム自体は非常に安定しており、特に大きな不具合は少なくともWindowsデスクトップに関しては起きていない。新たに導入されたMetro UI(WinRT)に関しては、まだ評価不足な面があるので何とも言えないのだが、ダブルバイト表示に関してもメニュー表示などは、日本語ランゲージ・パックが未提供の「Windows Developer Preview」なので、英語のままであるが、日本語IMEなども問題なく動作しているので、このまま暫くは筆者もWindows 8(仮)を常用してみようと考えている。

クリックで拡大表示 Windows_8_7

 「Windows Developer Preview」で初めて経験するMetro UIだが、部分的に従来のWindowsVista/7のメニューから、Metroに変更されているメニューもある。上に掲載しているスクリーン・ショットの画面では、コントロール・パネル(Control Panel)の画面表示を掲載しているのだが、これまでのコントロール・パネルとは大きくデザインが変更されている。また、上の画面では、「Start」ボタンの有る位置(要するに画面の左下)から更に左下へマウス・ポインタを移動させた状態なので、プロパティとしてスタート・ボタンの機能表示が行われていると同時に、左側の画面上には、カレンダーと時計の表示も行われている。Windowsデスクトップの多くのメニューは、この様な形式に変更されてしまうのかもしれない。

クリックで拡大表示 Windows_8_8

 さて、Windows 8(仮)こと「Windows Developer Preview」版であるが、少なくともシステム内部には何処にも「Windows 8」と表示されている箇所は無く、全てが「Windows Developer Preview」と表示されている。ひょっとすると、Windows 8というコードネームは、製品版では別の名称にも切り替わる可能性も捨てきれない。β版が提供された段階では、もう少し正式版に近づくと思われるのだが、現時点ではWindows 8(仮)という呼び名がふさわしいだろう。
 ちなみに、内部のWindowsカーネルのバージョンはと言うと、「Windows Version 6.2.8102」と表示されるので、巷(ITニュース・サイトなど)で言われている様なWindowsのメジャー・アップデート版ではなく、Windows 7のマイナー・チェンジ版Windowsだ。具体的には、Windows VistaがWindows NT Version 6.0で、Windows 7がWindows NT Version 6.1だったので、Windows 8(仮)は、Windows 7にMetroを加えた改良バージョンの「Windows NT Version 6.2」という認識が正しいのだと思う。

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