FRONTIER FT701W
一年前に筆者が購入した中華パッドの「Dropad A8i」は、故障もせずに毎日稼働している。しかしながら、これは予想していた事なのだが、やはり中国製の怪しいリチウムイオン電池が劣化してきており、最近では稼働時間が購入当時と比べると、半分程度まで短くなってしまった。中華タブレットに限らず、タブレット端末は電池の交換が簡単にできず、しかも中華パッドとなると、専用のリチウムイオン充電パックの入手が非常に困難だ。筆者が昨年末に購入した5インチの中華パッド「原道 N50GT」は、やはり画面が小さくてメインでノートPCの代用とするには、少し辛い。
と言うことで、7インチのAndroidタブレットを新たに購入した。今回、筆者が購入したAndroidタブレットは、(中国製ではあるが)中華パッドではなく国内メーカの製品で、FRONTIER製の7インチ液晶タブレット「FT701W」だ。国内メーカ品ではあるが、価格は中華パッドと同等でありながら、内蔵センサー類はジャイロや加速度センサーに加えて、Bluetooth、GPS、電子コンパス、300万画素の背面カメラ、周光センサー、そして無線LANはIEEE 802.11a/b/g/nに対応している上、NFCセンサーまでも内蔵しているという、非常にコストパフォーマンスに優れている7インチAndroidタブレットだ。
筆者宅へFRONTIER(KOUZIRO社)から直送されてきた「FT701W」は、質素なダンボールのパッケージで、Androidタブレットのパッケージとしては、非常に大きく二台分のパッケージ容量だが、「FT701W」のパッケージを開封してみると、その理由が直ぐにわかった。パッケージの中には、Androidタブレットの「FT701」のパッケージと、赤外線リモコン機能を装備した専用クレードルのパッケージが入っていたのだ。今回、筆者が購入した「FT701W」は、赤外線リモコン付きクレードルが付属したモデルの型番で、Androidタブレットの本体型番は、「FT701」というわけだ。
早速に「FT701」のパッケージを開封すると、Androidタブレットの「FT701」と、専用AC充電アダプタが現れた。後は説明書(もちろん日本語だ)と、保証書(一年保証で、修理はセンドバック方式)、注意書きの紙が一枚と、中身も非常にシンプルだ。無駄なステレオ・イヤフォンとかは付属していないのは結構なのだが、PC接続用のMicro USBケーブルやMicro USB対応のUSBホスト・ケーブルは同梱して欲しかったところだが、なにせ「FT701W」のコストパフォーマンスが、他の国産メーカ品(あるいは台湾メーカ品)のAndroidタブレットと比べて、非常に良いので、やむを得ないところだろう。
「FT701W」は、筆者がこれまで愛用していた中華パッドの「Dropad A8i」と比較すると、フット面積は同等だが、厚みは薄い。そして重さが遙かに軽く、軽い割には内蔵のリチウムイオン充電池が5200mAと大容量なのが嬉しい。連続稼働時間も10時間以上(FRONTIERのページに記載されているスペックでは12時間半)が可能となっており、稼働時間が長いのも大容量内蔵リチウムイオン充電池を内蔵しているおかげだ。「FT701W」の液晶パネルは7インチであるが、中華パッドに搭載されていることが多い、800ドット x 480ドットのワイド液晶ではなく、解像度が一段高い1024ドット x 600ドットとなっている。
「FT701W」の前面パネルには物理ボタンは一切なく、液晶ディスプレイ下へ、右から「メニュー」、「ホーム」、「戻る」、「音量マイナス」、「音量プラス」の静電容量タイプのタッチ・センサー型スイッチが配置されている。基本的に、スマートフォンと違ってランドスケープの横持ちスタイルで使用することが前提となっている。中華パッドでも、筆者が昨年末に購入した5インチの中華パッド「原道 N50GT」では、同様にタッチ・センサー型のスイッチが採用されているが、音量ボタンは物理スイッチだった。また、これまで愛用していた中華パッドの「Dropad A8i」では、音量調整ボタンが無く、ちょっと使いにくい点でもあったのだが、「FT701W」には音量調整ボタンが装備されていたので、嬉しいところだ。
「FT701W」の背面には、内蔵されているNFCセンサーの位置がプリントされており、この場所へ非接触タイプのICカードを近づけることで、対応する非接触ICカードの内容を読むことが可能だが、もちろん専用のAndroidアプリを別途インストール必要があるのは、言うまでもない。また、300万画素の背面カメラが装備されており、中華パッドに多い前面カメラのみの装備ではなく、アプリさえいれてやればQRコードなどのバーコードの読込などにも使えそうだ。加えて、中華パッドでは絶望的だった、無線LANとBluetoothの技適番号が「FT701W」の背面に印刷されているのも、国内メーカなら当たり前の事なのだが、嬉しい限りだ。
「FT701W」の側面は、インターフェース関係が液晶ディスプレイ下の側面の集中配置されており、上に掲載した写真は逆の順になってしまうのだが、左から3.5mmφのステレオ・ヘッドフォーン用コネクタ、充電用コネクタも兼ねるMicro USB(AB型)コネクター、外部映像出力のMicro HDMIコネクタ、そして外部記憶ストレージ用のmicroSD/SDHCメモリ。カード用のスロットとなっている。ディスプレイの右側上部側面には、電源スイッチが配置されており、下部にはスピーカが装備されておる。反対側の側面下にもスピーカがあり、7インチ・タブレットでは珍しいステレオ・スピーカを「FT701W」は装備している。
「FT701」唯一の付属品である、AC充電アダプターも、中華パッドに付属してくる怪しいアダプタでは無く、ちゃんとPSE規格をパスしているので安心だ。AC充電アダプターの出力コネクタは、Micro USBコネクタとなっており、「FT701」へ接続する際に、Micro USBコネクタが破損しないように、透明のプラスチック製ガイドが付属しているなど、これも中華パッドでは絶対にあり得ない配慮だ。「FT701」へAC充電アダプターで充電を開始すると、「FT701」のディスプレイ下の右側に、青色LEDが点灯して充電中である事を示す。このAC充電アダプタの容量は、5V/1.6Aの定格なので、かなりの大容量だ。
今回、筆者が購入した「FT701W」は、TIのOMAP 4430デュアルコア・プロセッサを搭載しており、メモリは512MBと一般的なデュアルコア・プロセッサ搭載のAndroidタブレットが搭載している1GBの半分となっているが、これまで512MBでメモリ不足を感じた事は無かったので、特に大きなアプリを起動したり、複数のアプリを動じに稼働させない限りは問題は無いだろう。
FT701Wの詳しい仕様は、FRONTIERのページで詳細に記載されている(これも中華パッドの中国メーカとは比較にならないくらい詳細な仕様が記載されている)ので、そちらを参照して欲しい。「FT701W」の搭載OSは、Android 2.3.4のGinger Breadであるが、これはICS(Ice Cream Sandwich:Android 4.0)へのアップグレードが可能なのかどうかは、現時点では全く不明であるが、筆者のこれまでの中華パッドの経験から言えば、Android 2.3で全く問題は感じなかったので、特に不都合は無いハズだ。
むしろ、Androidタブレットを使った事の無いユーザが、「FT701W」で不都合を感じる事があるとすれば、Google Play(旧Android Market)に標準では対応していない点だけだろう。この点については、別途クレードルのレポートを含めて述べたいと思う。
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コメント
久しぶりの書き込みですねえ
編集者見張りの原稿執筆か、外国へ逃亡か、ご病気かと案じていましたよ。
元気そうで何よりです。
面白くて、ためになる情報をお持ちしていますよ。
では。
投稿: 内田 正夫 | 2012年5月 4日 09:09
内田さん、ご無沙汰しております。
>編集者見張りの原稿執筆か、外国へ逃亡か、ご病気かと案じていましたよ。
ご心配をおかけしまして、すいません。 m(_ _)m
仕事の忙しさで、ブログの更新まで時間が割けない状態でして、貧乏暇無しを実践しております。 (苦笑)
>面白くて、ためになる情報をお持ちしていますよ。
ネタとメモはしているので、少し遡って2月~4月分を埋めたいと思っています。 (苦笑)
それでは、期待せずに、今後もご愛読ください。 (^O^)
投稿: 清水 隆夫 | 2012年5月 4日 14:21